「技能実習」と「特定技能」その2
さて、前回までのおさらいです。
「移民は入れたくない、でも単純労働者は欲しい!」
そこで生まれたのが技能実習制度。
日本の技能を学んでもらって母国に活かしてもらえば国際貢献になるのでは。
なんて思わないでくださいね。実際は、技能実習という名で、単純労働者として使用されています。
日本の移民政策は、サイドドア、バックドアといわれてきました。
2018年の入管法改正により、いよいよ前面から労働者の受け入れが始まりました。フロントドアです。それが「特定技能」という新しい就労資格でした。
要するに経済界からの要望です。少子高齢化が止まることのない日本。その中で膨れ上がる社会保障費。不人気業種では、どんなに募集しても日本人の働き手が来ません。
そこで、介護、外食、宿泊、ビルクリーニングなどの14業種(「特定14業種」)に限って、その業種の試験に合格し、日本語検定のN4以上に合格した外国人は、雇用契約を締結することで特定技能外国人として日本で働けることになりました。
サイドドア政策からみれば一歩前進かもしれません。ただし、日本にいられるのは原則5年。そして家族帯同は許されません。まさに出稼ぎです。日本語がおぼつかないため、「登録支援機関」という法務省の許可を得た事業者の支援も必須とされました。
労働法を守らない企業は特定技能外国人を雇えません。また、日本人と同等の労働条件が義務付けられています。同業種内での転職も原則自由。登録支援機関からの支援もあります。少しは改善されたように思えます。
ただし、現実はそう甘くありません。
転職の自由があるからといって、「外国人可」の同業種の求人企業、どこで探せばいいのでしょうか?自分が所属する登録支援機関が多くの求人を持ってればいいけれど、なかなかそううまくはいきません。
日本人の場合は、何かあれば逃げ出すことが可能です。
特定技能外国人は、結局、逃げ出すことができないのです。
この問題意識がSDGsHelloWorkの原点です。
親ガチャ、国ガチャいろいろあれど、一回だけの人生、みんななるたけ自分の才能活かした仕事に就こうよ!エンジョイしようよ!!
その思いのもと、いま少しづつSDGsHelloWorkの共感者が増えております。
SDGsHelloWork 代表 岸本貴久