障害者雇用に関してはこの1冊

2022.10.2

こんにちは。SDGsHelloWork代表、岸本です。実はわたくし、社会保険労務士でございます。

開業してから5年ほど、様々な企業の労務管理に関与してきました。また、自社でも、障害をお持ちの方を雇用しています。いつも小難しい労働法の本を読んでいますが、障害者雇用に関してはこの1冊、「会社を変える障害者雇用」をお勧めします。

障害者雇用に関する著作はいくつも出版されていますが、なぜこの1冊か、というと、それは著者自身が障害者だからです。

著者の紺野大輝さんは、「脳性まひによる脳原両上肢機能障害(2級)」という障害を持って生まれたそうです。

けれども、そんな障害など感じさせないような明るく活発な性格。人生の岐路を自ら選択していきます。

最初の就職先では、「あなたは会社に来て座っているだけでいいから」「君は税金対策で雇っている。お願いだから辞めないで」と言われたそうです。ひどいですね。
補足すれば、法定雇用率という制度があって、ある程度の規模の会社は、障害者を雇わなければ、その分国にお金を納めなければなりません。「障害者枠」と呼ばれるものです。

著者は、そんなひどい発言にめげることもなく(本心は傷ついたと思いますが・・・)いまは大きな会社の人事部で働き、障害者雇用のコンサルタントも行っています。

この本の中で教えてくれることですが、当然「障害者枠」ではなく「戦力」として障害者を雇おう、ということです。
採用の際、どうしても腫れ物に触るようになってしまうのも理解できます。ただし、そうではなくて、お互いに率直に障害特性について話し合うのです。
何ができて何ができないか、それさえわかれば、できる分野に配置すればいいことです。参考文献に「P・F・ドラッカー」の著書が記載されていましたが、そうです、「強みを活かす」、健常者の雇用と変わることはありません。

いま当事者学研究が進んでいますが、障害当事者の声が重要なのです。介助者はあらかじめ、危険なところに巻き込まれないように、障害者を隔離し、代弁してきました。しかし、障害者は自己選択をしたいのです。人間ですから当たり前の感覚です。

と本日は書物の紹介でした。
様々な人が輝ける社会のために。

SDGsHelloWork 代表 岸本貴久