助成金目当てで外国人材雇用を行う大きなデメリット
最近、あまり良質とは言えないコメントサイトで、「外国人を雇えば72万円もらえる」などの記載を見かけます。15年以上社会保険労務士をしている筆者からすれば、なんでこんなデマがまかり通るんだろう、と思うのですが、筆者も試しに「なんという名前の助成金ですか」とコメントしてみると「人材確保支援助成金」と返されます。今回はこのデマをなくし、人材確保支援助成金の正しい使い道についてお伝えしたいと思います。
助成金はそもそも日本人の採用に有利に設計されています
まず雇用関係助成金についてご説明いたします。制度としては、雇用保険法の中で、失業保険制度とは別の、雇用保険2事業(雇用安定事業、能力開発事業)として位置づけられます。
事業主から拠出された雇用保険料をもとに、日本政府として失業の予防や雇用状態の改善、労働者の能力の開発、労働者の福祉の増進など、その時々の政策課題を推し進めるために、企業にインセンティブを与えています。
そもそも日本の企業が拠出したお金を用いて日本政府が行うため、外国人を優先するわけがありません。採用に関しては、高齢者や障害者、母子家庭の母などを雇用した場合に一定の金銭が支給される「特定求職者雇用開発助成金」が有名です。
ただし、そこには外国人は含まれていません。
もし、日本人を差し置いて、日本政府が外国人の雇用を優先すれば、それこそ大騒ぎになるでしょう。
72万円の根拠はどこに
「都市伝説」なので、何が根拠なのかははっきり言って断言できません。最も世の中で知られているキャリアアップ助成金で、57万円+15万円の加算(派遣社員の正規化)で72万円という数字がありました。
このあたりが出元でしょうか。全くの無知であれば仕方がありませんが、排外思想のもと、故意にデマを流すのは許しがたいことです。
人材確保支援助成金の正しい使い方
外国人雇用に関しては、唯一、人材確保支援助成金が国の助成金としてあります。この助成金は、外国人を採用したらいくらもらえる、というものではございません。
そうではなく、外国人労働者とトラブルにならないように就業規則を多言語化したり、工場や建設現場での危険を減らすために標識類を多言語化したりした場合などに、その経費の一部が補填される、というものです。あくまで経費の一部、助成金で儲けるということはあり得ないのです。
まとめ
人口減少が極度に進む地方自治体の中ではその他外国人にかかわる助成金、補助金制度もたまに見受けられます。ただし、これも、あくまで日本語の研修費や住居整備費など受け入れに伴う経費の一部補助にすぎません。
何度も記載していますが、外国人雇用は日本人雇用よりもお金がかかります。特定非営利活動法人SDGs HelloWorkはその諸経費を減らすために、正しく助成金を活用いたします。
一般論で言っても、助成金・補助金目当てで何かを行っても必ず失敗します。何らかの目標があって、それが政府や自治体の政策課題に合うものであれば、せっかく税金や雇用保険料を納めているのですからしっかり活用していきましょう。当社も、多くの実績を積み重ねていますので適切にサポートしてまいります。

