外国人人材の日本語レベルはN3レベルあれば問題ない?
日本語のレベルに関しては、日本語能力検定試験(JLPT)と国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)の2種類が公に認められています。JFT-BasicのA2レベルがJLPTのN4レベルに相当すると言われています。特定技能外国人の要件として、JLPTのN4以上が定められていますので、JFT-BasicのA2合格者も特定技能就労資格が得られることになります。さて、それではN4ってどれくらいの日本語能力なのでしょうか。N3レベルであれば問題ないと考えてもいいのでしょうか。
JLPTのそれぞれのレベルはどれくらい?
外国人を雇用したことが無い方からすれば、それぞれのレベルの見当がつかないでしょう。本試験は、独立行政法人国際交流基金と公益財団法人日本国際教育支援協会が共同で運営しています。
公式サイトを参考に見ていきましょう。
かっこ書きの中が、公式サイトに記載された認定の目安です。
N1の日本語能力
「幅広い場面で使われる日本語を理解することができる」
数年間外国人の支援をしている筆者も、ほとんどお目にかかることはありません。
逆に言えば、外国人側からはN2をとっておけば、就職においては十分だと考えられていると推測いたします。
N2の日本語能力
「日常的な場面で使われる日本語の理解に加え、より幅広い場面で使われる日本語をある程度理解することができる」
N2を取得している方はまれにお会いしますが、通常の速さでの会話が成り立ちます。
どの業種でもまず問題ないと言えるでしょう。
N3の日本語能力
「日常的な場面で使われる日本語をある程度理解することができる」
筆者の感覚では、N3取得の外国人であれば、よほど日本語能力が必要とされる専門職でなければ通用すると思います。
ただし、N3、N4あたりからは、しっかり会話力の確認が必要となってきます。
N4の日本語能力
「基本的な日本語を理解することができる」
特定技能の就労資格を得るための最低限の日本語能力がN4です。多くのN4取得の外国人とお話してきましたが、会話能力は人それぞれです。
日本で長く、日本人との接触があるサービス業などで働いてきた方、日々日本語の勉強にいそしんでいる方はしっかり意思疎通できますが、なかなか会話が成り立たず、何度も聞き返さなければならない方もいます。
N5の日本語能力
「基本的な日本語をある程度理解することができる」
N5は初級ですので日本語初心者です。日本に来て日が浅い方などが取得しています。
同じ等級なのになぜ会話能力が異なるのか
特定技能の外国人を採用する場合は、候補者の多くはN3かN4です。そして、企業が求めるのは、業種によっては読み書きも必要ですが、一番欲しいのは会話能力でしょう。
では、なぜ同じN4でも、上述のように会話が成り立つ人と、スムーズにはいかない人がいるのでしょうか。
JLPTはマークシート式の試験です。リスニングも含まれますが。多くは言語知識(文字・語彙・文法)や読解が占めています。
ですので、JLPTの等級よりも、日本で何年間、どのような業種に携わってきたかで差がつきます。
また、外国人側も日本語会話能力を引き上げるために、工場で働いた後、サービス業に転職したい、というニーズがあります。
まとめ
外国人材のレベルはN3あれば問題ないとは思いますが、当然のことながら面接時に会話能力をしっかり注意しましょう。N4であればなおさらです。
また、自社の業種・職種を踏まえて考えるようにしましょう。
単純作業の繰り返しのような仕事であれば、N3は逆に高望みとなり、なかなか採用がすすまないかもしれません。
介護業種については日本語会話が何より重要なため、JLPTのほかに、介護日本語評価試験合格も特定技能の資格要件になっています。
N1、N2にこだわるのではなく、になってもらう仕事に通用するかを、彼らの性格とともにしっかり面接でご確認いただければと思います。