特定技能外国人の採用で多くみられる支援業者トラブルTOP3
登録支援機関の選び方に関して先日記載しました。お読みいただけましたでしょうか。ぜひ、貴社が、いい登録支援機関と出会え、特定技能外国人の雇用管理が適切に行われ、定着が進み、経営の発展につながることを願っております。
今回は、警告の意味を込めて、不適切な登録支援機関の例を3つ挙げたいと思います。不適切な登録支援機関と契約してしまうと、外国人の離職や失踪などにつながり、貴社にもペナルティがついてしまいます。しっかり注意したいところですね。
登録支援機関選びはとても大切です
前回も記載しましたが、2025年8月現在、登録支援機関は10,000社を超えています。この中から、正しい支援業務、すなわち国が定める義務的支援事項はもとより、さらに特定技能外国人の定着推進のために、任意的支援事項も行ってくれる登録支援機関、そして費用が良心的なところを探すのは難しいですよね。
少なくとも、次に記載するような登録支援機関と契約してしまった場合は、早めに見切りをつけて、よりよい登録支援機関を探すようにしましょう。
何もしてくれない登録支援機関は避けましょう
これが、筆者が最もよく耳にする話です。同じ事業を行うものとしては情けない限りです。登録支援機関はそもそも許可制ではなく、届け出制です。どんな形であれ、2年以上外国人の雇用管理をしてきた実績のある人がいれば、営業できてしまうのです。
そして、業務内容は、入管法に基づく、「特定技能制度運用要領」に定められています。義務的支援事項として、「事前ガイダンス」、「住居確保・生活契約支援」、「生活オリエンテーション」、「日本語学習機会の提供」などが含まれます。
例えば、「事前ガイダンス」は入社前に、労働条件の確認などを3時間、「生活オリエンテーション」は、入社後に、日本で生活するにあたってのマナーやルールを8時間行うことが義務付けられています。
ただし、実際には、省略されていたり、時間短縮されて行われていることをお聞きします。実際に、長く日本に慣れ親しんでいる外国人を対象にする場合は、8時間の講習は長い、と思うときがあります。
ただ、実際8時間行うことによって、交通ルールや、社会保険、災害時の対応など、何か知識として抜け落ちていたことが確認でき、そこを深堀して教えることができるのです。
また「日本語学習機会の提供」は、「特定技能制度運用要領」によれば、「日本語教室等の入学案内の情報提供および入学手続の補助」や「日本語学習教材やオンライン講座の情報提供および利用契約手続の補助」で足りることになってしまいます。
そのまま読めば、「あなた(特定技能外国人)のお住いの近くにこんな日本語教室がありますよ」とその日本語教室のチラシを渡せば、それで済んでしまうのです。
しかし、これでは、支援とは言えないでしょう。法の趣旨を考えれば、特定技能外国人の日本語能力を確実に上達させることが求められていると思います。特定非営利活動法人SDGsHelloWorkでは、毎週1回WEB日本語教室を要支援者に行っています。
外国人を不当に拘束するのは絶対にNGです
何もしない登録支援機関が、今回のテーマのナンバーワンとなってしまいました。
ただし、何もしないだけましと思えるような、より悪辣なケースもございます。特定技能外国人に対する支援業務とは言えず、外国人を商品としてしか考えていないケースです。
技能実習制度は、外国人が企業に不当に拘束され人権侵害に当たる事件が多発したために、転職の自由を担保した特定技能制度が発足しました。それにも関わらず、悪質な企業は人身拘束をやめず、また登録支援機関が主導する場合もあるのです。
それぞれの会社の経営戦略によりますが、例えば、行政書士に依頼する在留資格手続きも、紹介料・支援料にパッケージ化して企業に売っているために、6か月以上は働いてもらわないと、(6か月分の支援料で行政書士委託料を回収しないと)利益が出ない、という登録支援機関に出会ったことがあります。
そのために、絶対してはいけないパスポートや在留カードの不当な預かりをしていました。特定非営利活動法人SDGsHelloWorkには、そのような外国人からの助けを求める声が届くのです。
法的無知による失敗を企業に押し付ける支援機関
また、受け入れ企業として困るのは、手続きミスのペナルティを押し付けられることです。例えば、在留資格更新のスケジュール管理漏れです。外国人は、認められた在留期間内でしか日本にいられず、更新期限までに在留資格更新許可申請を行わなければなりません。
ほとんどの外国人は知っているのですが、たまに制度理解が不十分な外国人もいます。受け入れ企業で働き続けられるように支援するのが登録支援機関のため、その専門家である登録支援機関が責任もって管理すべきだと考えます。
それにもかかわらず、義務的支援事項を行うのが仕事であって、在留資格の管理は、企業か本人がすべきだとして開き直る登録支援機関の話もお聞きします。自社の仕事の本質・目的を理解していないのでしょう。
まとめ
TOP3としてまとめてみましたが、やはり一番頻繁に耳にするのは「何もしてくれない登録支援機関」です。
先日もX(旧ツイッター)に少し記載しましたが、ある企業では、外国人管理担当者の年配男性が、若いインドネシア人女性の体を触ることが日常茶飯事でした。声を上げることが困難な弱い立場の方を狙った卑劣な行為です。そして、登録支援機関に相談したけれども、なんの対応もしてくれない、ということで、特定非営利活動法人SDGsHelloWorkに相談がありました。
登録支援機関としては、ここで対応をしなければ存在意義がありません。外国人女性の人権は守られることなく、またそれが離職につながることで顧客企業にも被害が及びます。
以上、登録支援機関の選択が、特定技能外国人をうまく活用できるか否かの分水嶺といっても過言ではありません。もし、自社の登録支援機関が、上述のような対応にあてはまるような場合は、早めの切り替えをおすすめいたします。